自然

考えてみれば、子どもの頃にめいっぱい田舎で育った。町の子が経験しないような山や川や海で遊んだ。遊んだというより生活したといったほうが正しい。7月の下旬から8月の下旬までまるまる一ヶ月、祖父のもとに預けられた。この祖父が元生物学者という変わり者で、孫をサバイバル向きに改造した。仮面ライダーではないが、この改造が、社会に出てから役に立った。どんな過酷な場面でも変身すると、すいすいとこなしていけた。この世のもので、自然界ほど過酷な所は無く、自然の摂理に逆らわなければうまく生きていける。子供心に体得したサバイバル能力は今も劣ることなく存在し、私を助けてくれる。

酔い方

kamome2003-07-28

日本酒・・・これはだめだ。酔うほど飲んでしまうとまず頭が痛くなる。味わう分には魚には特に相性が良いのだが、とにかく二日酔いになる確率は80%。ウイスキー類・・・これもあまり得意じゃない。気分が悪くなる酔いが多い。学生時代の安い水割り経験がそうさせるのかも。オンザロックならほどほどにすれば大丈夫。焼酎・・・かなり得意。芋焼酎なら確実。お湯割が正式で、オンザロックでもOK。食べ物も選ばないところがいい。ワイン・・・好き。大量に飲めるのはこれ。特に赤は、そのまま血液になってしまいそうなくらい、好き。ジン・・・たぶん前世のどこかでアルコール中毒をやっていたとしたらお酒はこれ。酔い方に特徴がある。欲望に素直になれる傾向がある。女性と一緒にいるときに飲むには注意が必要。

少年の日

少年犯罪が多発している日々、ふと自分の少年の頃を振り返る。ネコをいじめた・・・ミノムシを潰した・・・小さな残虐行為の種は誰の心の中にも存在するのではなかろうか。パンドラのはこを閉めてある留め金が緩み始める。開けてみたい誘惑に勝てない時間がある。深夜を過ぎた逢魔が時・・・アルコールのせいで緩んだ留め金がはずれる。パンドラのはこの中身は空中を飛び回ってから、机上の白紙の上に舞い降りていく。多くの作家達がそうやって、存在してはならない妄想を形にしてきた。少年の犯罪をかばう気は無いのだが、現実と夢の境目がわからなくなるのは子どもだけではないはずだ。

紫陽花

梅雨の雨だれとともに、元気よく咲くのが紫陽花。ぬかるんだ公園を歩きながら、そのさわやかな姿に目を奪われる。昔より種類が増えたのは西洋アジサイが入ってきたせい。生命力の強い西洋植物は日本の土壌を好み繁殖する。特にセイヨウタンポポセイタカアワダチソウは攻撃的で風情とか関係なく大量に繁殖する。気がつかないうちに、日本庭園が西洋植物に彩られ、まるでヨーロッパの日本庭園になってしまうんじゃなかろうか・・・。

ふるさと

kamome2003-06-11

故郷ってどこなんだろう・・・・生まれた土地?育った町?生活している街?「ふるさと」という想いを込めた言葉には、思い出が関わっている気がする。私自身も北国で生まれ、南国で育ち、都会の近くに巣を設けた。そのすべてが故郷なのかもしれない。そしてその中で、サケが生まれ育った川を遡るように、生れ落ちた土地と言うのは、空気ごと本能的に刷り込まれていて特別なつかしい。私にとっては北の台地が、息子にとっては東京のど真ん中が特別な故郷ということになる。誰もが心の中にふるさとを持っていて、帰りたいという気持ちに逆らえない。そしてふるさとを想うことで、こころがやわらかくなる。

無くなる

kamome2003-05-26

この世からいなくなった人のことを聞いたとき、ああやっぱりと瞬間的に思った。日記の内容がどんどん枯れていき、生気を失い、書くことを止めてしまったのかとも思っていた。ある瞬間、彼女は光りを見失ったのだと思う。そして闇のほうへ飲み込まれてしまった。そう感じる。今彼女自身は闇の中で、安息の時間を過ごしているに違いない。そして、その魂がまた光を見出した時に、この世へ帰ってくる。私は生まれ変わり、前世の存在を信じている。途中で閉ざした人生はきっと時をはるかに越えて別の時代でまた始まる。そして今度こそ前に歩いていける。どこか遠いところでまた、存在を感じあえるかもしれない。たとえ現世の記憶は無くても。そういう出会いを私は信じている。

思い

なにかのはずみで遠い記憶を思い出すことがある。それは風にさらわれた花の香りだったり、道端の空き缶だったりする。想い出に浸る時間が楽しく感じられるのは、もう人生の後半にさしかかろうとしているせいなのか。日々想い出を作りながら、ここまで生き延びてきた。それだけでも褒めてあげたくなる。ふと見上げた空に飛行機雲が流れる。子どもの頃窓辺から見た風景と重なる。あの頃、僕はどうやってどこで生きていくのだろうかと考えていた。ここにこうして生きているよと、あの頃の僕に教えてあげたくなる。